健康づくり
聞こえる大切さ、補聴器について
高齢社会の日本では、難聴者はいまや推定1400万人。補聴器が必要とみられる対象者は820万人、70歳以上の半数が難聴と推計されています。
1月29日スターブル藤崎集会所で、協同地域事業所利用委員会の主催で「聞こえる大切さ、補聴器について」をテーマに医療講演会が開かれ、専門家が補聴器の使い方などについて話しました。
「言葉がよく聞き取れず、聞き返してばかりで会話が弾まない」、「他人の話がよく聞き取れず大事な話についていけない」、「病院などで自分の名前を呼ばれても気づかないことがある」。
こうした経験について触れ、耳の聴こえの能力には、小さな音まで聞こえる能力、言葉を聞き分ける能力、言葉・音声を瞬時に理解する能力の3つがあると説明しました。
また、補聴器は、単に音を大きくするものではなく、音を聞こえるようにする、聞こえを補うための医療機器で、具体的には、ポケット型、耳掛け型、耳あな型(オーダーメイド)の3種類があり、今は耳掛け型が普及しているといいました。それぞれ長所、短所があり、見本として「耳掛け型」が回覧され、参加者は耳に着け感覚を試すことができました。
「補聴器を買っても聞こえない」「使わない」との声をよく聞くが、原因は「補聴器を使うとよく聞こえるようになる」という期待が裏切られることだと述べ、慣れるまで3ヵ月はかかること、何度も調整が必要だとして、「慣れと調整が大事だ」と強調しました。
「高い補聴器が良く聞こえ、安いものは聞こえないというほど性能の差はない」ことを明らかにし、購入した店に何度も通い自分に合うように調整することが大事だと述べました。
欧米に比べて日本での補聴器普及が遅れている現状について、欧米では補聴器購入への国の助成制度があり、購入しやすい条件がある。東京都では一部の自治体で補聴器の購入への助成が実現しているが、国レベルの制度にはなっていないと原因を指摘しました。
参加者からは「補聴器の話しは初めて聞いた」「購入の参考にしたい」、「高い補聴器を買ったが聞こえないという話を聞くが原因が分かった」などの声が聞かれました。